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9章・老人世帯、独居老人

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9-1 配偶者逝去後の同居は難しい

老人夫婦だけで生活する世帯は、いずれ独居老人となりますが長年別居生活なら家族といえど突然の同居は簡単ではありません。

その辺りは葬儀支援の中でも感じる事は多く結局は別居のまま生活する家族のほうが多いのが現実です。

その現実が700万人の独居老人がいる現状となっている訳ですが、その点も踏まえ、独居老人の方で懸念される問題と対策について記載します。

9-2 怪我、孤独死の不安

小さな段差でも転倒するのが老い、自宅で転倒して骨折したら動けない事もあるし、ベッドと壁の隙間に挟まって動けなければ助からない命もあります。

食事して家族が食器を洗いに行った5分の間に心臓が停止してた等は決して珍しい事ではなく、独居の人は年令に関係なく孤独死の可能性はあるのですが、死後から発見までの時間により誰にも逢わせられない状態もあります。

直近で経験した孤独死発見までの最長期間は5か月後、2022年5月に発見された遺体の検案書の死亡想定は「2021年12月中旬頃と推定」の文字でした。

通常なら体液は全て出て発酵臭に近い残臭になる段階ですが、身体の下にホットカーペットがあり、加熱で皮膚が硬化して体液が流れなかった事が凄惨な状態を維持する結果となったようです。

当然、逢える状態でなく蓋を閉じた棺の外でも異臭がする為、火葬炉に入ってから家族は火葬炉前室に入る流れで焼骨は薄茶色でした。

家族関係は何処の家でも良好とは限りませんし最悪の関係もあるでしょうが、このような最後を望む方はいないでしょう。

9-3 独居老人のいる家族が必須とすべきこと

朝と晩、1日2回の定期連絡を欠かさない事です。

朝「おはよう。体調はどうだい」

夜「火の元、戸締りの確認はしたかい。おやすみ」

たったこれだけの連絡で充分、半日毎の連絡ですから怪我や病気なら命が救える確率は各段に上がり逝去してたとしても逢えない状態にはなりません。

近隣に住んでるならすぐに行けますが遠方の場合は、隣近所、自治会、民生委員、地元派出所などにも見守りのお願いをしておき、連絡が取れない時は窓やドアを壊して構わないと伝えておくことです。

また毎日連絡してれば痴呆が入ったり、進んだ時なども何となく分るものです。そろそろヤバイなと思ったら同居や入所施設の検討を始めましょう

9-4 家族のいない独居老人は

隣近所とは出来るだけ懇意こんいにさせて貰い「もしもの時は」とお願いできるのがベスト、また同じような独居老人は沢山いますから気の合いそうな人達(3人位)で毎日お互いに連絡を取り合う習慣を持たれると良いでしょう。

時々「人の世話には成らない」「なりたくない」と豪語する老人もいて気持ちは分りますが、自分の死体を自分で処理することできないのです。

9-5 自分の死後処理の全てを託したお爺ちゃん

包括支援センターから大学病院に入院してる老人男性がおり、世話してくれる家族親族もなく、遺骨まで全ての処理と借家自宅の整理など全てが低料金で出来るのは――、の観点で連絡をくれたようでした。

入院先に行くと個室で「もしも」の時の費用を預けてる方の連絡先と希望を聞き、死後の話ですから我々が帰ったあとで落ち込まないよう少し雑談します。

俺「想像してたよりずっと顔色いいじゃないですかぁ」

老人「そうなんだよね。もう少し長く生きちゃいそうだよ」

俺「もう死後の心配要らないから5年でも10年でも生きてくださいよ」

老人「それは無理だろうけど2~3年待たせちゃうかもだね」

俺「出来れば僕が忘れちゃうほど長くて良いですからね」

老人「うんうん」

病室から出ると担当の看護師さんから言われました。

看護師「正直長くはありません。今日明日でも不思議ではないんです」

俺「了解しました。その時はいつでも直接連絡してください」

看護師「宜しくお願いします」

それから間もなくして逝去の一報が入り、お爺ちゃんの希望通り何も残すことなく火葬、散骨まで全て完了しました。

相談する相手や場所で困ったら『地域包括支援センター』は対応窓口も広く社会福祉士も多いですから相談してみると良いでしょう。

9-6 お爺ちゃんは火葬だけの葬式

エレベーターの無い公営住宅4階に住む老人夫婦が入会相談に来られて数年後、お爺ちゃん逝去の一報で病院に行くと若い人達が沢山いました。

相談時のメモは余裕はなく直葬の可能性が高い旨が記されており、あんしん館で納棺安置をすると最終打ち合わせです。

孫達から「お婆ちゃん家族葬でいいよ」との声に頷いてますが、相談時点のメモがあるので聞く「家族葬の費用は誰が払うの? みんなが払うの?」

案の定、払うのはお婆ちゃんだと分り言います「家族葬は要らない火葬だけで充分、お婆ちゃんは半分の年金で生活だから少しでも費用を抑えてあげなきゃね」一同黙ったまま『そうかぁ』といった顔つきでした。

この孫達は葬式後の生活や葬式とは宗教儀式が絶対ではないことも理解できた訳で経験が後々自分や家族の葬式で役立ってくれることを願います。

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