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12章・死後では間に合わず生前すべき事

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12-1 親の死後の争う兄弟姉妹

人が死ぬと様々な手続きが必要ですが生前しておくべき手続きをせずに他界した事で、子供達が争い家族崩壊した現実を何件も見てきました。

姉弟きょうだいは他人の始まり』この言葉は的を得ており、親の傘の下で生きてるうちは同じ環境、生活水準で問題ありませんが、結婚や自立すると各々の生活水準も環境も全て違います。

それぞれの配偶者意見も加わり、今の法律は面倒を看た子供と近寄りもしなかった子供が同じ権利だし、相続争いを避けようと生前に遺産分けしたつもりでも相続では争いになる現実も多いです。

財産争いは故人の責任です。家族の闘争を避けるなら生前の対策は必須『遺言書』を作成しておくのが現時点ではベストと言えるでしょう。

「うちの子達は大丈夫だよ」この感覚そのものが間違い、その無責任な発想が家族崩壊の素だと知り出来る限りの対策を立てましょう。

12-2 簡単なのは全て遺言書に書くこと

遺言とは『遺産分与関連』と『子供の認知』には法的効力があり、それ以外の記載も自由にできますが法的効力はありません。

しかし生前は誰にも知られず、逝去後は迅速に知らせたい事、家族へのお願い、感謝、謝罪なども記載できる等を賢く利用しましょう。

財産、借金、感謝、保険金、認知、などなど書きたい事は全て遺言書に書いておけば保険名義以外は、あっちも、こっちもと考える必要はありません。

12-3 遺言書記載例・銀行カード暗証番号

夫婦でも相手のカード暗証番号は知らない人はいます。僕自身も嫁さんの口座がある銀行すら知りませんし嫁さんも僕の口座は知りません。

しかし配偶者が突然逝去したら、ネット銀行なら通帳すら無くカードだけですから口座の有無すら分りません。もしカードを別の場所に保管してあり見つからなければそのまま何て事だってあり得る話しです。

そこで遺言書に『銀行名・支店名』『口座名義人』『口座番号』『暗証番号』を全て書いて残せば、存命中は誰にも知られませんが逝去後は伝えられます。

12-4 遺言書記載例・借金の詳細

個人名義の借金があるなら『いつ』『何処どこで』『いくら借り』『返済について』など借金の詳細(借用書)を記したり添付しておく事。

更に残す財産の明細もしっかり記載しておけば残された家族は相続すべきか相続放棄すべきかの判断がし易くなるでしょう。

仮に借金のほうが多い場合、葬式費用を故人の通帳から引き出して支払ったり病院の入院費を故人名義の通帳から引き出して払うと、故人の財産に関わったと見なされ相続放棄できない事になれば残った家族は借金返済をすることになります。

故に懺悔ざんげの意味も含め借金詳細とお詫びは絶対に書いておきましょう。

あなたに人の心があり家族が大切だと思うなら、残された家族を守る唯一の方法であることを自覚し実行しておくべきです。

遊興費や博打の借金でなければ家族も理解はしてくれるでしょう。死んだあと家族に恨まれる人間でなく、惜しまれる人間であって欲しいと思う。

12-5 遺言書記載例・思いや伝えるべき言葉

遺産分与は法的な分配率が決められており、それ以上の比率で残してあげたい人がいれば分配率以下になる人が当然います。

例えば子供達と同居しておらず自分の逝去後は施設で世話になる可能性が高ければ全て配偶者に残してあげたいと思うでしょう。

配偶者50%、子供2人は各々25%が法律の分配率ですが、子供達に謝罪とお願いの言葉を書き添え、子供達の遺留分となる25%の請求をしないよう伝える事も、配偶者の事をお願いする事もできます。

勿論、子供達が遺留請求すれば法定分配率の半分の遺留分は支払われ、配偶者には75%の遺産が残ることになります。

普通の親子関係ならさほど揉める事はないでしょうが父親が再婚し残される母親が継母の場合に多く起きる問題です。

12-6 遺言書に記載する・株券、有価証券など

加入してる生命保険の証券番号、株券、有価証券、不動産権利書や証書を全てまとめた保管場所を明記しておけば手続きのやり残しが出ません。

その中でも生命保険は先述したように『契約者』『被保験者』『受取人』が誰かで扱いが異なりますので必要なら遺言を書く時点で変更しておきましょう。

12-7 生命保険の名義変更

11-13 生命保険『契約者』『被保険者』『受取人』でご確認ください

12-8 遺言書記載例・子供の認知

配偶者ではない相手との認知してない子供がいた場合、遺言書で認知する事ができ 認知された子供は他の子供達と同じ権利を有します。

このケースの場合、残った家族で闇に葬られる事の出来ない対策が必要ですから、遺言書に遺言執行者を明記、司法書士、弁護士など家族以外の人間にしておかれると良いでしょう。

突然、こんな話しが出れば家族は怒り心頭でしょうが、冷静になって考えて欲しいのは生まれた子供には何の罪もありません。

「もし」自分がその子の立場だったら――、と考えられたら、状況は違いますが、親父の最後を看取ってくれた女性と逢って話した僕と、話さない妹との違いと似てるような気がするのです。

12-9 遺言書記載例・家族への謝辞

人生の幕を引く直前に家族ひとりひとりに直接、想い出、感謝の言葉、お願いなど伝えるのがベストだけど意識も無い現実では難しいです。

だから自分が自分であるうちに、自分の言葉で書いたり、いずれも法的効力はありませんのでパソコンで打ったものでも構いません。

これだけでも自分の死後、家族間で醜い争いを避ける効果もあり『家族全員が互いに助け合い支え合いながら、元気な笑顔で毎日を過ごし続けて欲しい』この遺言なら保たれる家族仲もあるような気がします。

12-10 遺言は3種から選択

遺言書には『① 秘密証書遺言』『② 公正証書遺言』『③ 自筆証書遺言』の3種類があり一長一短ですから自分に合う遺言書を選択されると良いでしょう。

各遺言書にはそれぞれメリット、デメリットがあり、個々の持つ条件と記載内容により最善の選択肢が異なると感じます。

各遺言のメリット、デメリットはネットで検索すればいくらでも出てきます。

また書式についても同様ですから事前にしっかり調べた上で作成すれば、どれを選択しても問題は無いでしょう。

『秘密証書遺言』
パソコンでも作成可、公証人役場で確認して貰う必要があり11,000円の費用が掛かり書いて自宅に置いておくイメージの遺言です。

家庭裁判所で検認が必須、法的効力発揮まで2ヶ月前後は掛かり、公証人役場で内容確認はせず遺言書として無効と成る可能性があり、遺言があるかの確認と保管場所も苦慮します。

誰かに発見され内容が自分に不利だと分れば廃棄される可能性もあり、最も不安定な遺言と言えるでしょう。

『公正証書遺言』
最低でも数万円、財産が多ければ数十万円と費用は最も多く手間も掛かりますが、遺言として有効な確率は高く検認不要、家族が揉め難い遺言です。

ただ訂正したい場所が発生した場合。全て書き直しとなる前提になり、費用も同じように掛かるのが難点です。

『自筆証書遺言』
財産目録以外は全て自分で自書、費用は掛からず3,900円で法務局に預ければ検認不要、書き直すにも3,900円と最もお手軽ですが、法務局で遺言内容の確認はしませんので書式などで無効になり得る遺言です。

文字を書くのが得意な人もいれば、文字を書くのは苦手な人もいるし、内容変更が手軽にできる事を優先したい人、確実性を重視したい人、検認期間不要の遺言が望ましいなど、遺言書の種類毎にそれぞれ一長一短があり自分の優先順位で選択しましょう。

個人的な感覚では『家庭裁判所の検認期間(2ヶ月程)』の待機期間なく即時法的効力を発揮、家族関係の変化も想定すると『内容変更の手軽さ』の2点が選択ポイントでしょうか。

検認不要は『公正証書遺言』と『法務局に預けた自筆証書遺言』で、簡単に内容変更できるのはパソコン(手書きが得意な人は自筆証書遺言)で作成できる『秘密証書遺言』ですから迷うところですが費用面も考慮したいところ。

パソコンでキーボードは問題ありませんが、紙に文字を書くのは大の苦手ですから、僕の場合は費用面で無理が無ければ『公正証書遺言』頑張って書けば法務局に預ける『自筆証書遺言』の二択です。

いずれにしても『作成の煩雑さ』『確実性』『検認期間』『費用面』『内容変更の手間と費用』など優先順位をつけ決められると良いでしょう。

「遺言書テンプレート」とネット検索で、紙面サイズ、上下左右の空ける寸法、書き方、言葉の使い方など確認した上で作成してみましょう。

書き始めて問題あれば、他の遺言書式を考えたり作成してみれば実際も分るので、ゆとりを持って行うのが望ましいでしょう。

12-11 本書を良く読んで我が家で照らし合わせる

死後では間に合わない事は家族構成や事情で違ってきます。まず『11章・死後に発生する手続き一覧』と我が家の実情を確認してください。

例えば『11-25 認知症になったら何もできない』で言うと、故人名義の不動産は余程の事情が無い限り生前贈与より相続のほうが税金は掛かりません。

しかし『公営墓地の墓終い』を早くしたいなら痴呆で無い存命中限定となり、対象者の定期預金を引き出すのも同様で無ければ定期解約できません。

対象者が逝去してからでは不明になりそうな事、面倒になりそうな事など、存命中に考えておくべき事、認知が入る前にしておくべきなど、存命中にしておくべき事は葬式準備だけではないのです。

家族間のトラブルを避け、余計な出費を抑えるにも『もしもの時は――、』と考えておく必要はあるのです。

面倒だからと目をつむっていられるのは一時でしかありません。いつかしなければ成らない事なら『今日成すべき事を明日に延ばすな』それが後悔を防ぐ唯一の方法であると知ることです。

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